火薬の成分

前エントリで参照していた National Center for Forensic Science に Longshot の成分が出ていました.それによると多い順に

ジフェニルアミン:安定剤
ニトログリセリン:基剤(推進薬)
フタル酸ジブチル:燃速調整
2-ニトロジフェニルアミン:安定剤
エチルセントラライト:燃速調整および安定剤


という感じでした.Longshot はダブルベースなので,推進薬の成分(基剤)としてはニトロセルロースとニトログリセリンが使われています.しかしここではニトロセルロースは載っていませんでした.

同じところで H4895(シングルベース火薬)を見てみたところでは,成分として

ジニトロトルエン
ジフェニルアミン


が載っていて,どちらも基剤というわけではないので,やっぱりニトロセルロースは載ってないだけでしょうかね.検出手段が違うのかな?

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余談ですが,我々の使う火薬はニトロセルロースを基剤としたシングルベース,さらにニトログリセリンも入ったダブルベースがあります.世の中にはさらにニトログアニジンを加えたトリプルベースがあり,他と比べてガスの発生が大きく,燃焼温度が抑えられるという特徴があるようです.効率が良いし,銃にも良さそうだなと思うのですが,業務用(笑)しかないのかな.近所では売ってるのを見かけません(気付いてないだけ?).我々が使うには,費用対効果が得られないってことでしょうかね.

Longshot の欠点

減装弾用としての利点を先日述べましたが,その稠密さ以外にも欠点はあります.

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それはその火薬粒子形状に起因します.Longshot ってこんな感じなんですよね.

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Longshot の拡大写真(National Center for Forensic Scienceより)


日本で見かけるライフル用の火薬って,extruded といって,円筒状のが多いですよね.ところが Longshot は上の写真の通り flattened ball と呼ばれる形状なのです.ライフルに比べて速燃性の火薬を使用する散弾用にはこのように平らなものが多いですね.

これの何が悪いかというと,面に貼り付きやすいのです.静電気だろうと思いきや,金属にも敢然と貼り付きます(苦笑).オートディスペンサは今後のコンタミの原因となったらイヤなので使用せず,今回は試射用で数も少なかったので,ディッパで手ばかりしました.それでもそのディッパに貼り付いたりして,なかなか難儀しました.ディッパってのはこういうやつです.要するに匙ですな.

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散弾リロードの時も,確かにいろんなところにくっついてますが,このときは Longshot しか使ってないし,薬量も一つ一つスケールで測ってるわけでもないので気にしてませんでした.道具が黒っぽいので見えにくいというのも多分にあるかな?笑

結局 Trail Boss にしろってことかな〜.ただこれは完全に減装弾専用になってしまうので,薬種を増やしたくないむきには手を出しにくい(ロッカー容積の制限や,管理の問題).やっぱりここは Longshot でいこう.

Independence Day Sale

7月4日の今日,アメリカは独立記念日です.だいたいこの日はセールになることが多いので,買い物リストを持っている人は,狙い目かも知れません.私も一応確認しておこうかな.



【追記】そういえばネックサイズもブッシュタイプにしようかなと思っていたので,この期に発注掛けても良いかとサイトを見に行きました.

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せっかくの割引チャンスですが,なんと肝心な商品が品切れになってました.意味ないじゃん.

Longshot によるライフル弱装試験

猟用火薬の消化も兼ねて,元はといえば鴨マグナム用に持っていた Longshot で 30-06 の弱装を組んで試射に行きました.すると,H4895 減装弾に比べて良い点が見えてきました.撃ってすぐ感じたのは,Longshot はきれいに燃焼して,煤けないことです.

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上が H4895 の減装,下が Longshot です.写真では分かりにくいですが,実物を見れば明らかに Longshot のほうが汚れが少ないです.H4895 だと段々手が黒くなっていきますが,Longshot だとそういうことがありません.

自分としてはレシピもある程度定まってきましたが,ここで書いて良いかが悩みどころ.というのも,数字は一人歩きしますし,それは安全性に関わりますからね.もともと H4895 の減装レシピが6割で組まれているのも,火薬本来の特性からはもっと減装できるはずですが,6割であればダブルチャージしたらすぐ分かるからだと思います.メーカーも安全第一で考えているのではないでしょうか.ましてや Longshot は多くのライフル用の火薬に比べて稠密です.ダブルどころかトリプルチャージしても外から見ただけでは全く分からないほど嵩がないので,ドロップ時には本当に細心の注意が必要です.このため世の中に Longshot をライフルに使ったデータがないのだと思います.(Trail Boss がスカスカなのはこのためだと思う)

とは言っても,やはり正しく使えば Longshot はライフルの弱装にも適した火薬だと思うのです.薬量はとても少ないのに,弾速はそれなりに出ますからね.下に実測値を示します.

barrel length: 22"
twist rate: 1:10"
chronograph: Magnetospeed v3
case: Lapua 30-06
bullet: Sierra 125gr SPT
primer: Winchester Large Rifle
powder: Hodgdon Longshot
5-shot average velocity


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薬量軸値はここでは載せないことにしますが,ざっと散弾で使用する薬量の半分くらいといえば分かる人には分かるでしょうか.それでこれだけの弾速が出ます.これと同じ弾速を出すときに使う H4895 の半分以下の量ですから,試してみようとする方はくれぐれも少量からにしてください.抜けの悪い弾だとさらに危ないので要注意.それに弾速をさらに出そうとするなら,当然腔圧の問題がでてくるので注意が必要です.それにそこまで出すなら普通のライフル用火薬を使うべきですしね.ちなみに薬量が少ないことは経済性だけでなく,リコイルも軽くなりますから撃ちやすいです.だからといって,まとまるかどうかは別問題ですけど.笑

このような速燃性火薬を使う場合,まず心配なのは腔圧ですから,これを反映する雷管の様子はよく確認します.今回試射した最少薬量から 1 gr 刻みで順番に雷管の様子を見ますと...

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下に行く(薬量が増える)に従って,雷管が平らになっていくのがわかると思います.ただし今回試した範囲の最大薬量でもまだ雷管に高圧兆候は見られません.圧力的にはもう少し行けるかも知れませんが,ある量を超えるとグルーピングは悪化しました.薬量的には真ん中くらいが一番まとまった感じでしたので,次期制式減装弾としてレシピを更に煮詰めたいと思います.とはいえ,今回使いきった Longshot は現時点では狩猟用でしか使ってないので,次に買うのは猟期かな?笑

あっちも fire! こっちも fire!

ある日のこと,O君と撃ちに行きました.

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O君が給付金で買ったスコープを合わせたいというので行ったのですが,私には私の課題があり,データを取るためノートにガシガシ書き込む必要がありました.そこでボールペンを予備も含めて2本持って行ったところ,それらがなんとそろいもそろって両方ともインクが出ないではありませんか.信頼の三菱が2本続けて書けないなんて初めてかも.書かさらないボールペンほど腹の立つものはないですね.あ,ポインタが動かないマウスも腹立たしかったな.苦笑 いずれにしても you both are fired!

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ゴミ箱行きです.とりあえず的紙に書き込んだりするためにマジックを持っていたので,それで書きましたけど,なにせぶっとい.今度はバックアップに鉛筆も持って行こうかな.

火薬容器比較

うちでは H4895 を標準にしております.何本かを一度に買おうとするとき考えておかないといけないのが装弾ロッカーへの収納です.標準のボトルはかさばるので,そうそう何本も入れておけません.散弾とかも一緒に入ってますからね.そこで容器を変えてしまうわけです.

うちではダイセル缶のラベルを貼り替えて使っています.この缶はサイズ的に散弾の箱とほとんど一緒なので便利なのです.

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この缶をツルツルいっぱいにすると,540g くらい入ります.ちなみにボトルが入る隙間があるなら,純正ボトルには 760gくらいはいります(いずれも H4895 での話)からまとめることも可能でしょう.H4895 の火薬粒は形状的には extruded ですが,他の同種の火薬と比べると粒が小さめで,メジャーを使ったときのバラツキが少ない使いやすい火薬です.減装も公式にOKが出ていますしね.個人的にはいい火薬だと思いますが,周りではあまり使っている人は多くないみたいです.最近O君がダイセルの横暴に辟易として乗り換えそうな雰囲気ではありますが.ちなみに IMR4895 も類似してますが,こっちは粒が少し大きめなので,メジャーを使うなら H4895 のほうがいいのではないかと思います.余談でした.

ところで缶と言えば,昔の半ポンドの空き缶を持ってました.

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右の茶色いやつです.これはスリムでいいかも?と思ったのですけど,高さはボトルとあまり変わらないし,幅が小さいとはいっても,ダイセル缶の半分以上はあるので,ロッカーに詰め込むことを考えると,スペースファクターがいいとは言えなそうです.ただ注ぎ口が小さいので,メジャーやディスペンサに入れるときにこぼれにくいという利点はあります.もしこの缶を常用するなら,ラベルを貼っておかないといけませんね.

豚コレラ危機

昨日こんなニュースが入ってきました.

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死んだ野生イノシシが豚熱 茨城県 6/27(土) 21:31配信 時事通信
 茨城県は27日、取手市で死んだ野生イノシシ1頭が見つかり、家畜伝染病「豚熱(CSF)」に感染していたことを確認したと発表した。同県内で感染が確認されたのは初めて。

 県畜産課によると、25日午後、同市の利根川河川敷で発見され、遺伝子解析の結果、感染が判明した。発見場所の半径10キロ以内には県内に養豚場はない。県では2月から5月にかけ、県内の養豚場で飼育する約31万頭にワクチン接種を終えた。その後生まれた豚などにも定期的に接種する。 


うーん,ついに茨城まで来ましたか.コロナ騒ぎでそれどころじゃないという感じではありますが,こっちはこっちで見てないうちに着実に広がってきているのですね.現時点では,私がお世話になっているエリアとはかなり離れてはいますが,時間の問題という気もします.基本的には感染が確認された区域では狩猟制限がかかるようですが,農業被害を抑える意味でも,この区域が広がったから今期は休猟,なんてことにならなければいいのですが.