Longshot によるライフル弱装試験

猟用火薬の消化も兼ねて,元はといえば鴨マグナム用に持っていた Longshot で 30-06 の弱装を組んで試射に行きました.すると,H4895 減装弾に比べて良い点が見えてきました.撃ってすぐ感じたのは,Longshot はきれいに燃焼して,煤けないことです.

P7017382.JPG


上が H4895 の減装,下が Longshot です.写真では分かりにくいですが,実物を見れば明らかに Longshot のほうが汚れが少ないです.H4895 だと段々手が黒くなっていきますが,Longshot だとそういうことがありません.

自分としてはレシピもある程度定まってきましたが,ここで書いて良いかが悩みどころ.というのも,数字は一人歩きしますし,それは安全性に関わりますからね.もともと H4895 の減装レシピが6割で組まれているのも,火薬本来の特性からはもっと減装できるはずですが,6割であればダブルチャージしたらすぐ分かるからだと思います.メーカーも安全第一で考えているのではないでしょうか.ましてや Longshot は多くのライフル用の火薬に比べて稠密です.ダブルどころかトリプルチャージしても外から見ただけでは全く分からないほど嵩がないので,ドロップ時には本当に細心の注意が必要です.このため世の中に Longshot をライフルに使ったデータがないのだと思います.(Trail Boss がスカスカなのはこのためだと思う)

とは言っても,やはり正しく使えば Longshot はライフルの弱装にも適した火薬だと思うのです.薬量はとても少ないのに,弾速はそれなりに出ますからね.下に実測値を示します.

barrel length: 22"
twist rate: 1:10"
chronograph: Magnetospeed v3
case: Lapua 30-06
bullet: Sierra 125gr SPT
primer: Winchester Large Rifle
powder: Hodgdon Longshot
5-shot average velocity


longshotdata.jpg


薬量軸値はここでは載せないことにしますが,ざっと散弾で使用する薬量の半分くらいといえば分かる人には分かるでしょうか.それでこれだけの弾速が出ます.これと同じ弾速を出すときに使う H4895 の半分以下の量ですから,試してみようとする方はくれぐれも少量からにしてください.抜けの悪い弾だとさらに危ないので要注意.それに弾速をさらに出そうとするなら,当然腔圧の問題がでてくるので注意が必要です.それにそこまで出すなら普通のライフル用火薬を使うべきですしね.ちなみに薬量が少ないことは経済性だけでなく,リコイルも軽くなりますから撃ちやすいです.だからといって,まとまるかどうかは別問題ですけど.笑

このような速燃性火薬を使う場合,まず心配なのは腔圧ですから,これを反映する雷管の様子はよく確認します.今回試射した最少薬量から 1 gr 刻みで順番に雷管の様子を見ますと...

xgr1.jpg
xgr2.jpg
xgr3.jpg
xgr4.jpg
xgr5.jpg
xgr6.jpg


下に行く(薬量が増える)に従って,雷管が平らになっていくのがわかると思います.ただし今回試した範囲の最大薬量でもまだ雷管に高圧兆候は見られません.圧力的にはもう少し行けるかも知れませんが,ある量を超えるとグルーピングは悪化しました.薬量的には真ん中くらいが一番まとまった感じでしたので,次期制式減装弾としてレシピを更に煮詰めたいと思います.とはいえ,今回使いきった Longshot は現時点では狩猟用でしか使ってないので,次に買うのは猟期かな?笑

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 2

驚いた
ナイス

この記事へのコメント

  • ともぞう

    ヒロシさん

    速いのでは,TrailBoss はありますが,どのくらいのやつですかね〜.その弾頭は鋳造ですか?
    2020年07月05日 09:08
  • ヒロシ

    ともぞうさん、
    私の微弱実包は4~5グレインのピストル火薬(日本で買えない燃焼速度の速い物)を使っています。問題はネックがちゃんと圧着する前に弾が出るのでネックが真っ黒になってしまっています。
    2020年07月05日 02:49