味覚は視覚に左右される?
元々脂の少ない小さめのイノシシでしたから,その赤身部分は脂身が全然ないわけですね.
で,これをジンギスカン鍋で焼いてみました.
すると,不思議なことにイノシシっぽい味がしないのです.おいしいけれど,何の肉だかわからない.というか,なんかラムっぽい気さえしてくるほどです.
ちなみにこの後で普通にラムを焼いたらがっつりラムの味でした.笑 このイノシシは塩こしょうしてフライパンで焼いたら,ばっちりイノシシの味がしたのですよ.個体も一緒で部位もだいたい似たようなところでしたから,ジンギスカン鍋を目にすることによって,期待される味覚がラム肉になるので,そっちに引っ張られちゃうんですかね?あるいは焼き加減がラムっぽくなるからとか?
まあいずれにしてもわかっているのにだまされるような不思議な感覚でした.
シシリブ
エゾシカジャーキー
先日北海道のAちゃんからどっさりとエゾシカを送ってもらったので,カレーとかでガンガン食べてます.うまいです!でも毎日カレー曜日だと曜日感覚がなくなるし(違)保存食も作っておこうということで今回はジャーキーを作ります.
まずは適当にスライス.
干すなら薄切りするためにスライサーが欲しくなりますが,うちでは手抜きの熱風乾燥なので,刺身包丁で切れるくらいの厚さで大丈夫.これをたれに漬け込みます.しょうゆ,みりん,赤ワイン,ニンニクです.今回はお子ちゃまでも食べられるようチリは入れないでおきました.
今回の醤油は割と高級品なので使用量をけちるために袋で寝かせます.何日でもいいのですが,今回は時間がとれるまで三日かかったので,三日漬け込みました.笑 漬け上がりがこちら.
このまま焼いてもおいしそうですが,そんなことしてるとなくなっちゃうので,さっさとジャーキー化しましょう.まずはオーブンのトレーに重ならないよう並べます.
今回はトレー2枚分になりました.これをコンベクションオーブンの100度で1時間かけて軽く脱水します.裏返して今度は130度で1時間乾燥調理します.
黒くなってますが,焦げているわけではありません.温度を高くすると焦げちゃいますが,このくらいなら大丈夫みたい.大きいのや小さいのがあるので,はさみで食べやすい大きさに切り分けます.
肉は2キロくらい使った気がしたのですが,できあがりをはかったら600gもなかったです.かなり乾燥は進んでいますが,カチカチになるほどではないので,とっておくなら真空引きして冷凍するといいですね.
袋は真空に引きやすい専用品もあるのですが,うちでは汎用の袋を使ってますので,このままだとつるつる面がくっついてしまいうまく引けません.そこで百円ショップで買ってきたナイロンメッシュ(たとえば三角コーナーの網とかに使われている)を挟んでいます.その隙間から引けて,さらに熱で溶けて袋と一体化するのでシールも切れないというわけ.
これを袋に差し込み,開口部に挟んで引きます.
シールするとこんな感じになります.
ここでこの出ているところを切り取って,さらにその先をもう一度シールします.
こうすれば二重になるのでメッシュの溶解が不完全だったとしても,真空は切れません.そんな感じで5パック完成です.ラベルを貼っておきました.
見た目がシシジャーキーと同じですからね.笑
北の国から
棚卸し・第三弾「シシモモ冷麺」
棚卸し・第二弾「鴨ハム」
棚卸し・第一弾「シシリブ」
淡竹の筍
イノシカメ会
射友の A ちゃんが転勤ということで壮行会をすることになりました.通常は猪,鹿,鴨でイノシカモ(猪鹿鳥ともいいますね)なのですが,鴨の在庫が切れたことと,ご本人がスッポンをご所望ということでイノシカメ会となりました.
ジビエ会ですからそのスッポンも天然物.笑
なんと約 2.5 kg の大物です.自分でとってきたわけではなくて,仕入れたのですが,この日の市場でたぶん一番の個体.
自分でさばいてもいいのですが,ゲストの中に板前さんがいて,やってくれるというのでお言葉に甘えました.
卵がいっぱいはいってました.そういう季節なのですかね.
血は40度の焼酎に入れました.
天然物ということで,焼酎の方を多めにしたものの,それでも不安はあるので危険性を説明し自己責任で.
あとは昆布と甲羅でだしを取り,たっぷり野菜で鍋に.
スッポンが見えませんが,この下は全部スッポンです.笑 いやぁ,めちゃめちゃ旨いですね.最後は雑炊...ではなく,ラーメンにしてみました.
いやぁ,これまた旨い.すごいぞ,スッポン.あ,鍋の前にはイノシシや鹿の料理が出ていたのですが,みんなスッポンのインパクトにやられてしまい,印象が薄くなっちゃったみたいです.という自分からして,写真もない...けど,おいしかったですよ.
大変盛り上がったのですが,あっという間に終電のお時間ということで解散となりました.今度はいつできるかな~?
コシアブラ
テーマがジビエになってますが,狩猟採集つながりということで.笑
お世話になっている巻き狩りグループから今年も山菜採りに誘われたので行ってきました.2年前に行ったときはコシアブラをいただきましたが,自分ではとっていなかったので,今回初めて教わって自分でとりました.タラみたいに刺さらないから痛くないし,めちゃ楽しいですね~.ピントが合ってない上に緑緑してて見にくいですが,こんな感じに生えています.
もちろん大きい木もあれば,小さいのもあります.芽を全部取ってしまうと枯れてしまうかも知れないので,少し残すように採りました.漆はコシアブラに似ていて,近くにも多く生えているので,思わず手が出ますね.でも赤茶色なので違うとわかります.
帰宅して洗いました.
天ぷらが鉄板ですね.
あとは何にしようかな~.
ローズマリー
二次会用酒肴
二次会をちんまりやるというので,真空冷凍しておいたのを取り出してきました(ラスシシではありません).常温解凍して,塩こしょう.
オーブンをコンベクションモードの 160℃ に設定,ぴったり1時間でやってみました.
2次会は酔った状態からスタートしますので,すぐ食べられるように最初から切っておきます.
みんなに食べさせるのが優先なので,たぶん二次会では自分は食べられないでしょう.でも大丈夫,この時点でつまみ食いした限りではおいしかったですから.笑
ラスシシはパーティ用に
ミソシシ
グリル猪
次は生姜焼き
まずは猪鍋
イーノシシーで なにつくろう♪
エゾシカ串焼きと新聞のジビエ記事
昨日,近所の串焼きやに行ったらエゾシカがあったので食べてみました.でも友人から送ってもらうもののほうがおいしいですねぇ.販売ルートに乗るのはある程度衛生管理されているでしょうが,それでも何かが違うみたい.などと考えていたらこんな記事が...
ジビエ利用鹿が最多 食肉販売8割 16年度 農水省初調査 2/11(日) 15:20配信 日本農業新聞 農水省は、鹿やイノシシなど野生鳥獣の肉(ジビエ)について、利用量の調査結果を初めて公表した。2016年度の利用量は1283トン。獣種は鹿が最も多く、北海道での利用が最多だった。政府は調査結果を基に課題を洗い出し、19年度までに利用量を倍増させる方針だ。 政府は17年、深刻な農作物被害の削減につなげるためジビエ利用量を増やし、19年度には倍増させる目標を打ち出した。詳しい利用量は把握できていなかったため、同省は鹿やイノシシなどを扱う全国の食肉処理施設を対象に調査を進めていた。 利用量を用途別に見ると、食肉処理施設が食肉として飲食店などに販売したものが1015トンで、全体の8割を占めた。獣種では鹿(665トン)が最多で、イノシシ(343トン)が続いた。 次いで多かったのは、ペットフード向けに販売された150トン。処理加工施設の職員が捕獲し、自家消費したものが84トンあった。 ジビエ利用量を都道府県別に見ると、エゾシカのジビエ利用が盛んな北海道が503トンで群を抜いて多かった。次いで、ぼたん鍋が有名な兵庫県(117トン)、鹿のジビエ利用が多い鳥取県(63トン)となった。 ジビエ利用された野生鳥獣は8万9230頭・羽。このうち鹿は5万5668頭、イノシシは2万7476頭で、捕獲頭数(15年度)に対してそれぞれ10%、5%だった。比較的遅れているイノシシの利用拡大が課題の一つと言えそうだ。 食肉販売や食肉処理の代行など、食肉処理施設がジビエで得た金額は30億3000万円。食肉販売額が28億9300万円で、鹿が14億8300万円、イノシシが13億7100万円だった。いくら農業新聞とはいっても狩猟には素人でしょうから,この手の記事を書くときには食肉や狩猟にも詳しい人に見てもらえば,表面の数字だけみて論じるようなことは避けられると思います.とりあえず獲ったものを食肉処理に回すのは,思いつきでできるほどは簡単でないというのは食品衛生をかじったことがあるハンターだったら推測できると思いますが. ちなみに私が出猟している県内には処理施設が一カ所しかないし(そして猟場からは遠い),例の放射能の関係もあるので市販に回すには困難はあると思います.それにうちの猟隊には,お金になるという風になればガツガツした気持ちが出てきてしまうし,売ったりしないで,みんなで肉を平等に分けることが,仲良く安全に続けるための基本であるという考えがあります.私もそういう考え方が気に入っていますが,まあとれても一回数頭ですから,分けきれないほどの量にはならないというのもあるでしょう. ジビエ利用を推進したいなら,行政が金を突っ込めば可能でしょうけど,それによって金儲け主義に走る狩猟者が増えると,狩猟がかえって既得権重視の,初心者が足を踏み入れにくくなる世界になってしまうように思います.もともとは農業被害を少なくしようということから,ジビエの市場規模を大きくするという風に話が変わったのでしょうが,ブームになればしぼむのも早いし,そもそも里山が死に体になってるところから被害が拡大しているわけですから,そっちのほうを考えた方がいいと思うなぁ.
whole boar (4)背骨と背ロース
whole boar (3)スペアリブ
whole boar (2)腹皮
部位として何という名前なのかわかりませんが,要するに腹の皮というか,腹筋に相当するところですね.解体した後だと肋骨にぶら下がって,ピロピロしてるので,うちではピロ肉と呼んでいます.笑 いつもはバラ肉をもらっても分配した後だと肋骨数本分しかないので,ピロ肉もバラと一緒に料理してしまいますが,今回はピロピロだけで一品できる量なので,何かすることにしました.
猟隊の大先輩によると煮込むのがいいだろうということだったので,とりあえず下ゆでしたのですが,そのまま火にかけすぎてスープになってしまいました.ところがこれが激ウマではありませんか.テールスープみたいな風味です.肉もほろほろととろけるようになりましたので,野菜炒めに.
スープは別に作っているので,そっちと足すことにして,次回へ続く.笑
whole boar (1)ヒレと背ロース
どこもだいたいそうだと思いますが,猟隊の獲物は平等に人数割りすることになっています.ところが今回,参加者が少ない上に私以外は熟練者,そして唯一の獲物が小さいということで,解体や分配が面倒になったらしく,私に丸ごとくれるというのです.滅多にないことらしいですが,今回の例外はありがたく頂戴しました.
瓜坊だったらあこがれの丸焼きなんてやってみたかったですが,そこまで小さくないので,とりあえず普通に解体しました.部位ごとにどうやって食べようか考えながら料理していきます.
というわけで,シリーズの最初はヒレと背ロースを少々使って定番のシシカツから.
ヒレはともかく,背ロース全部をカツにすると大変な量になりますので,一部だけ使います.で,こんな感じに.
まだ若い個体だったせいか,柔らかくて癖のない,おいしいカツでした.ごちそうさま!
シシジャーキー
あけましておめでとうございます.今年もぼちぼち,安全第一で楽しんでいきたいと思っております.
さて,鹿のジャーキーはよく作りますが,猪は脂が多いので,あまり適さないのではと思って,作ったことがありませんでした.でも猟隊の方が作って好評だったということなので,その方と作り方は違いますが,私も作ってみることにしました.
まずは二日ほどソミュールというか,つけダレににつけ込みます.以前作った鹿用と同じにしました.
それを低温にセットしたオーブンに長時間かけます.
適宜裏返しながら2時間ほどするとこんな感じになります.
試食してみると,ちょっと味付けが薄かったようです.肉の味はより強く感じられますけど,私はもうちょっと濃い味の方が好き.つけ込み時間とレシピには改善の余地が多分にあります.まあそれは次回の課題ということで.で,その後,おつまみに食べやすいよう切ってから,小分けして真空パック.
これで冷凍すると風味が落ちないで長持ちします.
ただ鹿でもそうなんですが,ボリュームがあったはずの肉がジャーキーにするとものすごーく縮んでしまうんですよねぇ.ちょっと損した気分だったりして.ビーフジャーキーが,なんでこんなにちょっとで高いの?という疑問が氷解しますね.笑
カルめ焼き
シシコマで挽肉
肉なしリブ
鹿ジャーキー2
ご近所さんの猟隊が大猟だったということで,また持ってきてくれました.お礼にジャーキーにしたものをお渡ししてしまったので在庫がなくなり,もらった鹿肉でまた作ることに.
今度は甘めにしたいとタレのレシピを変更.
しょうゆ : 50ml みりん : 50ml 赤ワイン : 50ml 塩 : 大さじ1 にんにく : 一片 レッドチリ : 適当 黒胡椒 : 適当今回ちょっとお高い醤油しかなかったので,消費量を削減するためにパック漬けにしました.冷蔵庫で1日置いた後オーブンへ.胡椒をさらに振りかけます. 今回は少し歯ごたえが欲しいので,低温長時間でいってみます.130度でまず30分.裏返して40分.まだタレが乾ききっていない部分があったので,さらに裏返して20分かけました.ぱっと見カラカラ,ばっちり乾燥しました. 食べてみたらとても美味です.特に端肉のほうが硬くなるのと味も濃くビールでも飲み始めたらもう止まらなくなるでしょう.しかし生肉では結構な量があったのに,ジャーキーにしてしまうとえらく縮んでしまいますねぇ.苦笑 同じオーブン料理でもクッキーは大きくなるのになぁ.笑 ひとまとめに置いておくと,あっという間に食べてしまいそうですから,パックで分けました.冷凍庫でもかさまないし,長持ちしそうですね.いや,あっという間に食べてなくなるか.笑