射出で失われる弾頭質量

実のところ射撃からハンドロードに興味の中心が移ってきており,以前「弾薬学」 "Ammology" という学問分野を提唱しました.しかし,狩猟において重要なのは終末弾道 "terminal bullistics" であり,また標的射撃においても砲外弾道 "exterior ballistics" が主眼となってきます.弾薬学は直接的には砲内弾道 "interior ballistics" に隣接する学問分野と考えていますが,実際の処はあくまでも弾道学を踏まえた上での弾薬学であるので,まずは弾道学から勉強すべき,と考えて何冊か図書館から面白そうな本を借りてきました.いやぁ,昔からいろいろ研究されているものですね.これを機に過去の研究の紹介や,自分の研究も紹介して行けたら良いなと思い,新しく「弾道学」というブログテーマを設置しました.初回である今回は読んだ中からおもしろいなと思った研究結果を一つご紹介します.

射出されたライフル弾頭にはライフル痕が残っていますね.削られるのでその分質量は変わるわけです.砲外弾道を計算するときには実際のそのときの質量が重要ですから,これを知る必要があるかも知れません.で,この本[1]では実際に試射した結果が載っていて,定式化されています.

m0 - m = 0.00005 l V

ここで,m0, m は射出前後の弾頭質量(g),l は弾の銃腔とふれあう部分の長さ(cm),V は初速(m/s) です.この式は三八式歩兵銃において真鍮製の弾丸を射出した場合ですが,現在の銅合金のジャケット弾においても参考になると思います.

ちなみにこの書籍での実験結果では長さが 25 mm の真鍮円柱弾頭で,弾頭質量の 2% が失われるケースもあるそうです.

参考文献
[1]磯部孝著:水中弾道の研究,東京大学出版局 (1975)

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