尖弾の水面入射角と跳飛角

またまた磯部先生の本[1]からの話題です.三八式歩兵銃での実験ですが,113grの試験弾頭での結果を見ています.水面に入射する角度と水面から離脱する角度については以下のような図があります.
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これによると入射角が小さいときは,跳飛角はその三倍になるということです.前稿では球の場合を述べましたが,それに比べると跳飛角が大きいことが特徴と言えそうです.入射角が6度20分で跳飛角は極大値をとり,今度は逆に減少していき,9度30分で極小,そしてまた大きくなっていくというおもしろい特性となりました.そして14度20分が跳飛する最大入射角で,これ以上になると水中に侵入します.

また跳飛する方向が入射角で変わってくることが以下の実験結果の図で示されています.
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これによると入射角が小さいときは右に跳飛し,6度20分より大きくなると左に跳飛します.この境目の角度は上で書いた跳飛角が極大値になる入射角になっています.

これらの結果は三八式歩兵銃の制式弾と同じ大きさの真鍮製の試験弾によるものなので,形状が変わるとまた数値は変わっていくと考えられますが,いずれにしても水面での跳飛という簡単そうにみえる現象でも,実は紐解いてみると非常に複雑なメカニズムが隠れていることが推測出来て興味深いものです.

参考文献
[1] 磯部孝著:水中弾道の研究,東京大学出版局 (1975)

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