弾道学の分類

最近になってようやく弾道学を勉強しはじめたわけですが,単なる力学の一分野であるとの認識は必ずしも当てはまらず,未だに複雑化,そして進歩し続けているおもしろい分野であることが分かりました.これを紐解くにはまず弾道学をいくつかに分類しながら,それらの連携を考える必要があります.

というわけで,まずは現在弾道学が大まかにはどのように分類されているかを述べてみます.

(1)砲内弾道:火薬の膨張ガスによって弾頭が砲内を加速し,これが砲外に出るまでの事象を扱う分野です.弾頭,推進薬,砲身の間に最適な関係を作ることが目的です.

(2)過渡弾道:銃口から射出された弾頭は,その後ろからそれより速く燃焼ガスが追ってきており,それにより影響を受けます.また砲身軸と弾頭の飛び出し角の間に予知の難しい差が発生することが知られており,これを「跳起」と呼びますが,この現象による砲外弾道への影響も考えられるのですが,これも過渡弾道に分類されています.

(3)砲外弾道
古くから研究されてきた分野で,単に「弾道学」といえば,これを連想する人も多いでしょう.私もその一人でした.世界最初のコンピュータである ENIAC (1944) も元はといえば弾道計算の為に開発されたものです.単に質点の運動であれば単純な物理モデルで説明が出来ますが,実際はそういうわけにはいかず,流体力学や気象学までもふくめた広汎な知識が必要な学問分野です.とはいえ,これ以外に分類された弾道学の分野に比べれば進歩しているので,コンピュータシミュレーションでかなりのことが分かるようにはなっています.

(4)終末弾道
炸薬が内蔵されているような弾頭では特に重要なテーマですが,ここではライフルや散弾銃のことのみ扱います.それでもその弾頭がゲームに当たった後の振る舞いは狩猟においては重要です.軍事系の研究ではもちろん破壊弾道学などとよばれ,現在(本職の)弾道学の研究でもっともホットなトピックですが,紙撃ちの範囲では無視できますね.

これらは独立して存在するわけではないので,結局はトータルで考える必要が出てきますが,課題を分解して考えていくときには有用な分類と言えそうです.

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